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2009年2月23日 (月)

無料法律相談

にいがたADRセンターでメディエーションを行うにあたって、申込人または相手方に、法律相談を受けてもらったほうがいいかなとケースマネージャーが判断した場合には、にいがたADRセンターのメンバーを紹介して法律相談をしてもらうことになっています。

私の少ない経験上ですが、法律的に見て勝ち筋の方は、ほとんど法律専門家に相談して、(有料で)確実な助言を受けているようです。

一方、負け筋のほうは、無料法律相談には行っているようですが、正確な見通しを聞いていないように見えるのです。

これは、なぜか?人間は、自分に興味がないこととや都合の悪いことは、無意識的に心にストンと落ちないようになっているみたいで、仮に確実な見通しみたいなものを言われていたとしても、心に落ちていないから?

もしくは、これは司法書士がよく経験することですが、自分に都合の良い事実しか述べないため、自分に都合の良い返答が返ってくる、ということだろうか?

完全に問題がこじれて(というより、ごねて)、一方が訴訟提起ということに至らないと本当の事実が出てこなかったり、負け筋の方の覚悟がつかなかったりということがあるような気がしております。

南山大学でのトレーニングの時に、「人はよく話を聴いてもらうと、妥協できる」と聞いたような気がしますが、それも問題の歴史や本人のパーソナリティーに依存するところがあり、「納得」できるかどうかは、そう簡単ではないでしょう。

一般的に無料法律相談も役に立つことは多いと思うのですが、メディエーションの目線から見ると、難しいな~と思うことが多いです。

そして、メディエーションは人と問題を選ぶような気がしてしまうのです。

司法書士である私たちは、「その人」に合った問題解決方法を提示できるように、日々精進しておく必要を痛感します。それに、「無料相談」で誤った返答をしないように勉強しなくては!!

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コメント

関川さま、専門家としてのご奮闘の様子が目に浮かぶようで、いつも、勉強させていただいています。今回の記事について、勝ち筋と負け筋のお話は察しが付きましたが、メディエーションなのに勝ち負けというのは、何だかピンとこないのですか?「メディエーションは人と問題を選ぶ」ものだと、教わりました。あくまでも、ADRの一つの手法である、と。当事者全員が(まじめに)合意する意思があるときのみ有効である、と。なので、共通の興味/利点をキーにして、本来、人は善であるという信念のもとに、当事者の意思で合意を引き出したい・・・ので・・・比較的表面的な取り扱いになりやすい従来型の調停や裁判とはっきり違うところだと、解釈しています。当事者間の力のバランスはメディエーターが見逃してはいけない点で、専門知識の有無も力の差である、と・・・なので、私のような素人は、専門家とのリンクは欠かせないと思うわけです。その差をうまく利用しようとメディエーションにやってくる人がいるらしく、それは悪意であって、グランド・ルールに反する、注意せよ、と教わりました。日本ではそんなにメディエーションが普及していないので、そのつもりの人はまだいないでしょうけれど、関川さんがおっしゃているケースは結果としてそうなっているのだと思いました。(e.o.)

投稿: 草の根メディエーター | 2009年3月 6日 (金) 07時47分

コメントありがとうございました。

メディエーションは法的知識を棚上げし、ニーズを探り合意するプロセスであることは勉強しています。私がこのような話を書くこと自体後退しているような気がしないでもないのですが、司法書士が行うメディエーションの場合はどうしても意識してしまいます。

ある意味、私たちも葛藤の中にいます。

私たちの勉強会の中でも意見が出たのですが、司法書士が実施するADRセンターで、何も法律相談をうけずにメディエーションをして、その結果、例えば実は法的には100万円受け取れる権利があるのに50万円で合意したときに、後日法的には100万円もらえることを知った当事者から、ADRセンターに対し損害賠償請求等がくる可能性が否定できません。

裁判はミズモノなので本当はやってみないと100万円はもらえないかもしれませんが、かなりの確率で法律専門家の目から見てもらえると確信できる事案を想定しています。

そのため、事前に自分は100万円もらえることは知っているが、当事者で話し合いをした結果50万円で合意した、ということでないとADRセンターに対する一般からの信頼が得られないということがあろうと思っています。

また、弁護士さんなどに相談し、自分が勝ち筋と思っている場合、メディエーションに参加した結果、自分に不利な条件をのまされそうになったら、メディエーションから離脱することもあるでしょう。裁判をすれば、自分に有利な結果が出ることを知っていますから。

逆にメディエーションに行けば、支払わされるであろう相手方も簡単にはメディエーションには参加しないでしょう。

生の事件を扱うと悩むことが増えますね。。

まだまだ私のスキルが足りず、ケースマネージャーとしてもメディエーターとして未熟であるがゆえに、このようなことを考えてしまうのかもしれません。

投稿: せきかわ | 2009年3月 6日 (金) 13時32分

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