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2011年8月11日 (木)

日司連イギリスADR視察報告書を読んで

日司連にはADR対策部というものがあります。部員は全部で何名いるかはわかりませんが、司法書士でADRの世界では有名な方が入っていらっしゃいます。

その日司連対策部が昨年の11月8日(月)~12日(金)の間、イギリスにADRの視察に行ったとのことで、その報告書を入手しました。

イギリスに行ったのは、部員4名と日司連の副会長、そしてコーディネーターとして日本メディエーションセンターの田中さんです。

やっと今頃になって、その報告書を読むことができました。以前にマイケル・リンドさんが来て、その講演を聞いたときより、文書による情報が多いので、わかりやすかったです。

私のフィルターを通して、気になった点をいつくか書いてみます。

○まずは、田中さんの文章から

・日本に紹介されているのは、一部のメディエーションであり、唯一無二ではない、そして定点観測してみると時代とともにダイナミックに変化している。

・コーカス、メディエーターへの事前情報提供、そして法的情報の提供される場など、それぞれにプロセスをめぐる環境などは我が国とかなり状況が異なる。

→自分自身も勉強をすればするほど、考えが変化してきています。トレーニングが少ない人ほど思い込みがあり、自分自身のメディエーション論を譲らない気がします。

・高額なトレーニングを受けても、その機関でのメディエーターとしての業務が回ってこないという批判がある。

→回ってこないから経験が積めない、経験が積めないからスキルも上がらない。人気のあるメディエーターにばかり依頼が偏る。。。う~ん、これってどうしたらいいんでしょうねcoldsweats01

○他の方のリポートから

・イギリスの裁判所からメディエーション機関への回付が多い。

・更に裁判所の権限として、事前にメディエーションをすべきなのにしなかった場合には、訴訟費用の負担の点でデメリットがでることがある。(法的強制ではなく、金銭的強制)

→これについては、新潟大学で講義をした後の学生の質問に、メディエーションに出席しない者に対する罰則はないのか?という質問を想起しました。

 実際日本でもそのような罰則があればメディエーションは普及する可能性がありますね。

・商事・民事・労働関係のメディエーションはやり方は似ているが、家族問題のメディエーションは少し違う。また前者は採算が取れるが、後者は難しい。

→こちらも納得。採算の点は以前にマイケル・リンドさんから聞いていたので知っていませいたが、やり方が違うことは初めて知りました。更に後者は、メディエーターにおけるソリスターの割合が下がるそうです。

・Independent Mediatorsという組織へのインタビューの中で「年2回のメディエーションでは質の向上のしようがない」というのがありました。がっかりcrying

すでにメディエーターが職業としても成りなっているイギリスと日本を比べるのはあまりにも無茶ですが、少しでも近づけるといいなと思います。

ところで、すぐにでも取り入れられることがありました。資料の中にある調停人に対するフィードバックシートです。具体的な項目の記載があるので、今使っているアンケートを作り直そうと思いましたflair

それから「非公開チェックリスト」~調停の始まる前に当事者に記載してもらって、考えを整理してもらうためのものです。コレよさそうsign03

でも、新潟県では受け入れられるだろうか???

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コメント

関川さん、ご紹介とコメントありがとうございます。

「訴訟費用の負担の点でのデメリット」というのは、敗訴者負担制度を前提とした話で、罰則とは少し意味合いが違うかも知れませんね。まあ、もともと、出席しないと罰則があるというのはメディエーションの理念とは少し違う気もしますが・・。

また、気がついたことがあったら教えてください。

安藤信明

投稿: 安藤信明 | 2011年8月12日 (金) 10時46分

安藤さん、コメントありがとうございました。

出席しない場合の罰則、これはやはりデメリットと書くべきだったかなと思っています。
おっしゃるように、外から何らかの力が働いて出席に結びつくのはどうなんだろう?とは思います。その力が裁判所からということになるとかなり強力ですよね。

ただ、メディエーションを広めるための方策としてはアリかもしれません。悩むところですがcoldsweats01

日本で普及するには、いろんな可能性を探る必要がありますね。
リアリティチェックも必要だけど。

投稿: せきかわ | 2011年8月12日 (金) 14時15分

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