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2016年2月27日 (土)

認知症患者の権利擁護~成年後見・医療同意をめぐって~

昨日、2月26日(金)は、第257回新潟市医師会臨床懇話会に参加させて頂きました。

本来は、医師会主催なので司法書士は入れないのですが、医師会のご厚意によって、参加させて頂く事ができました。

Img_20160226_185638


タイトルは

認知症患者の権利擁護~成年後見・医療同意をめぐって~

講師は、東京都立松沢病院 院長の齋藤正彦先生

http://www.byouin.metro.tokyo.jp/matsuzawa/aboutus/greeting.html

座長は、新潟大学法学部 教授の上山泰先生

ドクターの目線からの講演を聞くことができる機会はほとんどないのですが、著名なドクターの講演のほか、上山先生の解説もあり、講演後になされたドクターの質問もまた司法書士にはない目線でとても有意義でした。

特に印象に残った内容は以下のとおりです。

1.被後見人を取り巻く関係者は、本人と利益相反するという点

例えば、第三者後見人は本人から報酬をもらう、ケアマネージャーは、サービスプロバイダーと提携している、という点で利益相反しているということ。

当たり前といえば、当たり前ですが、あまり意識したことがなかったため、なるほどと思った次第です。

2.本人の権利擁護の点で言えば、家裁の審査・監督機能が弱いことからすると、親族がいないケースでは、成年後見人は誰にも審査されないことになること

つまり、成年後見人がした契約は、本人に帰属しますが、本人が不服の場合は、誰に訴えたら良いか?という問題になることです。

3.被後見人の財産の横領案件の90%は親族によるもので、齋藤先生からは月平均で3億円という数字に会場中が驚いていました。

確かに、裁判所から来る後見人候補者の推薦依頼の中にはかなり頻繁に親族が横領したために解任された結果であるような案件があります。

4. そもそも本人のの意思の代行決定などできるのか?

私も依頼者さんたちと接していて思うのは

「人はすぐに気が変わる」

 元気な時に思っていた、決めたことを高齢になり体調が悪くなったときに、そのまま同様に考えも変わらずにいられるか?といえば  かなり疑問。。。

 本人の最善が何か?ということを探すのは、本当に難しいことですね。

 

さて、今回の講演を聞いて思ったことは、家族のいる資産家の場合は、成年後見制度ではなく家族信託も選択肢に入れて欲しいということです。

例えば、遺産分割協議の時だけのスポット後見人が認められていない現状では、認知症とはいえ、成年後見制度の下ではお孫さんに(高額の)お小遣いもあげられない(家裁にダメと言われたとご参加のドクターから実際の事例をお聞きしました)などの不都合も出ます。

最後に、今回の講演を聞いて、今後なお一層、誠実に成年後見人の職務にあたらなくてはと感じました。

新潟市医師会様及びエーザイ株式会社様には心よりお礼申し上げます。

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コメント

この顔ぶれの講演は、ぜひ私も聞きたかった…。

投稿: 西川(静岡) | 2016年2月28日 (日) 13時26分

西川先生、コメントありがとうございました。

斎藤先生のご講演は初めてお聞きしましたが、とても勉強になり本当に行って良かったな~と思いました。

支部長のメールでは司法書士参加予定者21名とのことでしたが、そんなにはいなかったような・・・

個人的には全国規模の研修会でもお話していただきたい内容と感じました。

投稿: せきかわ | 2016年2月28日 (日) 20時54分

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