続きまして、第15回仲裁ADR法学会

会場は月島にあります首都大学東京の晴海キャンパス
近くの橋を通ったら、屋形船が見えました。土地柄ですね~

出席されているのが、大先生ばかりでドキドキ😵💦
すぐ後ろに元裁判官の加藤新太郎先生(現中央大学教授)が❗
新潟県司法書士会でも講義していただいたことがありましたが、とてもお声がけできず💦
加藤先生と話せるO副会長はさすがだな~と思って拝見しておりました😃
内容は
1.スポーツ仲裁の現状と課題~仲裁機関として果たすべき役割~
報告者:立教大学 早川吉尚先生
日本で大きな競技団体の規約には、スポーツ仲裁協会の申立に対して「自動応諾」条項が入っているとのこと。
一方、都道府県や障害者スポーツ団体には当該条項が入っておらず、不応諾終了が多くなっているため、自動応諾条項を入れてもらえるよう働きかけをしているという話は興味深かったです。
やはり、応諾要請ってどこでも難しいのですね~
それから、事案が「ドーピング」の場合は非常に高度な専門性が求められるようです。
そのため、運営側はドーピングはパネルを分けたいとお考えのようです。
上記をお聞きし、民間調停の場合は、「専門性」が大きな要素になっているなあと改めて感じました。
また、スポーツ仲裁協会でも弁護士・仲裁人の報酬は低くて、ボランティア状態ということも伺い、その点も司法書士会と同じだなと。
2.コンフリクト・マネジメントとしての医療メディエーション
報告者:中西淑美先生
レジュメがなく、発表用のPPTを見ての受講だったので、理解が追いつかない箇所多数(汗)
が、とても勉強になりました。
印象に残った内容は
・医療紛争は認識ギャップと不信に根ざしたディスコミュニケーションが顕著
・コンフリクト・マネジメントとしてメディエーションを考える→関係調整的なメディエーションを実施する
不要・不毛な対立を避ける
否定感情は手当するが、肯定感情が惹起され、否定感情が打ち消されるようにする
・医療紛争ではインタレストも揺らぐ→語りの中で 本当のインタレストは何か?自分で自分に気づくこと
そして一番のポイントは(私の記憶限りですが)
医療紛争は、もともと勘違いしていることがすごく多い
医療紛争の6割は、家庭内紛争
めちゃめちゃ納得💡
私が巻き込まれそうになった例でも、勘違いによって怒りが惹起されていると感じたことがありました。
NVC的には、怒りの「きっかけ」と「原因」を区別して考えますが、NVCを学んでいない人はそんなこと考えもしないだろうし。。。
中西先生もおっしゃっていましたが、このスキルは他の紛争でも応用可能とのこと。
もっと勉強したいなあと思いました。
3.交通事故ADRの現代的意義
報告者:古笛恵子先生(弁護士)、
竹井直樹氏(公益財団法人損害保険事業総合研究所フェロー)
八田卓也先生(神戸大学)
恥ずかしながら、交通事故紛争処理センターや日弁連交通事故相談センターのことはほとんど存じ上げず、その活動の様子がわかり勉強になりました。
こちらで印象に残ったのは
「そんぽADRセンター」の竹井直樹氏のご発言中
・仲介者として紛争を収める必要があり、それは(通常業務たる)戦う弁護士とはスキルが違う。
・同センターに寄せられる苦情で多いのは(恐らく保険会社の担当者の)「態度が悪い」こと!
やっぱり紛争の元は「人間関係」なんだなと深く心に刻み込まれました。
紛争、実務の最前線にあたっている方の話は、説得力あるなあ。。。
ところで先月、大学で講義をした時の感想で、ADRは「心理学みたいなことが多く法学部の授業じゃないようだ」というのがありました。
それに対して、同じ事象に対して、紛争になる人と紛争にならない人がいる
紛争を起こすのは「人」
というような話をしたところ、納得した、という感想が寄せられました。
本学会に参加して、「人」への対処の重要性を感じましたが、本当に難しい課題です。
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