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2020年7月14日 (火)

第16回仲裁ADR法学会大会

先週末7月11日(土)は第16回仲裁ADR法学会大会でした。
Zoomによるオンライン開催であったため、視聴することができました💕
本当に有り難い限りです💕💕

いつだったかの新聞記事で、コロナ禍の中、学生(中学生だったか?)の授業がオンラインになったときに、通常授業よりオンラインの方が集中して学習できる子供が一定数いたというような内容を読みました。今回参加してみて、正に私もオンラインの方が集中できたクチです。

体調のことも気にせず、遠方まで出かけることなく、疲れたらアイスクリームを食べることができ、各先生方の話も聞きやすかったし、非常に良かったです。

他にも質問が発表の途中でチャットですることができたのも便利そうでした。

質問を文字化したデータも大会中にダウンロードできたことにも感動🎵🎵🎵

事前配布されない当日のパワーポイントもスクリーンショットで保存できたし、いろいろと良いことが多かったです!

さて、本学会の大会に参加するたびに、ご参加の先生方の賢さに驚嘆し、すぐに発表内容を理解し、質問できる瞬発力にひれ伏してしまうのですが、今回も同様でした。
いまだ消化不良のことも多いですが、特に印象に残ったことを稚拙ながらいつくか書いてみます。

1.前田智彦先生の「金融ADRにおける紛争処理の統計的分析」について
統計分析の手法は「重回帰分析」とのことで、当日もその手法のご説明がありましたが、悲しいかなサッパリ理解することができませんでした。。。
が、分析結果は興味深く
「ロジスティク回帰分析で個人案件における和解成立」では
 ・業者が過失を自認していると和解率、和解額ともに上がる傾向にある。
 ・女性の申立人の場合は和解率が上がる、しかし、和解金額については影響なしでむしろ下がる傾向にある。
 男女差が優位に出てきたことが興味深く、巷間言われる女性の方が協調する傾向にあるようなことがここでも出てくるということでしょうか?

「線形回帰分析で個人案件における和解成立」では
草創期たる2011年と2016年を比べると、和解の場で業者側において「内部資料を引用する」ことで和解金額が下がる傾向にあるようです。(注:関川理解)
草創期には業者側も脇が甘かったところ、多くの紛争を経験することで“負けないやり方”を学習してきたということのようです。
金融ADRの場合は、金融商品・サービスへの利用者の信頼性の向上、ひいては金融機関そのものに対する信頼性の向上も目標としていることを鑑みるに、説明義務の遵守や投資家の熟慮を裏付けるような取引手順をとっていることで、まさにそういう方向に向かっているとみてよいのかなと思いました。

2.シンポジウム~ADRにおける代理人の職務上の倫理について~
    特に齋藤宙治先生のご発表が面白かったです✨✨✨

 まずはアメリカのCollaborative Lawyeringについて
    概要を書きますと、特に家族紛争(主に離婚紛争)において使われるものだそうで、「妻+代理人」「夫+代理人」の4者間で直接顔を合わせて話し合い、調整を行う、弁護士はあくまで一方当事者の代理人ではあるが協調的解決を目指す、のだそうです。

    その実践の核心要素は以下のとおりです。
    ・依頼者との間に、代理範囲限定合意を書面で交わすこと
    ・委任範囲を裁判外交渉や調停などの協調的手続における代理に限定し、当該弁護士が依頼者を訴訟で代理することを禁止する。
    ・協調的手続が失敗した場合には、弁護士は辞任する。

 また、この手続については、誰でもできるわけではないようで、アメリカ各地でグループがあり、そこに所属しないと行うことができず、入会要件としても最低限のトレーニングをうけないと入れない、基本的に双方の代理人がその手続をやってくれないとできない、とのことでした。

 この点、日本でも一部の弁護士さんだけがメディエーションに興味があり、その実践を目指していらっしゃるという状態にも近いのかな?と感じました。

(文脈が記載できず不正確な記述になってしまいますが)質疑応答の中で齋藤先生より「弁護士があえて代理人として入る必要があるのか?必要がないところに入る必要はないのでは?という問題提起」でもあるというご発言も大変印象に残りました。
 
   次に「相手方から受ける謝罪の効果」についてです。
 Robbennolt(2008,2009)の研究によれば相手方から謝罪があった場合、当事者(被害者)はより低い金額で承諾して和解する傾向があるが、弁護士にはそのような傾向が見られない(むしろ、より高い金額での和解を達成するためにつけ込む材料として利用する傾向すらある)ことを明らかにした、そうです。

 これは肌感覚からしても納得の結果で、当事者だけで行うメディエーションで仮に本心からの謝罪があった場合は、和解が近づくということでしょうか。

 当日はこの研究を踏まえた心理実験やアメリカや日本における弁護士倫理についてご報告があったのですが、そちらは割愛いたします。

最後に、大会に参加された多くの先生方のご発言を総合すると、ADRでも判例法理に則ること、そして弁護士さんが関与して”法の支配の拡大”がなされることが目指すべき方向なのかな~、仲裁ADR法学会の空気としても、そういう方向なのかな~と感じた本大会でした。

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