まず、「ADR」は、何の略語でしょうか?
英語のAlternative Dispute Resolution の頭文字をとったものです。
Alternative~他に代わるべき→「裁判に代わるべき」という意味です
Dispute~争い
Resolution~解決
つまり、「裁判に代わって争いを解決する手続き」という意味になります。一般的には「裁判外紛争解決」という訳語が使われます。
具体的には、裁判所でも行われている「調停」に分類される紛争解決手段です。
調停では、争いのある当事者の他に調停人が話し合いの場に同席、もしくは一方ずつの話を交互に聞くなどして、当事者がよりよい話し合いができる手助けするものです。
ADRの3つの類型
ADR~第三者(調停人)が入った話し合いによる解決~といっても、その考え方の違いにより大きく分けて次の3つの方法があります。(この分類は、経済産業省著作の「 調停人養成教材作・基礎編 」によります。)
①評価型
調停人が法律専門家である場合に、法的な判断を重視するやり方です。
裁判のやり方に近いものです。
当事者から出された様々な事実の中から、法律判断に必要かどうかということを判断基準として、これにあてはまる事実を抜き出します。その上で、言い分が食い違っている所を探り出し、争点を明確にして、調停人が証拠や法律判断によっておおまかな妥結点を探ります。その結果を踏まえて調停人が当事者を誘導したり、説得したりして当事者の納得する解決に導こうとするものです。
②自主交渉援助型
調停人が法律専門家である場合もそうでない場合にも共通し、当事者自身が争いを解決する能力を引き出し、当事者自身による自律的な解決をサポートするやり方です。
調停人は、当事者の話を聴く姿勢を大事にして、その話の中から、当事者がこだわっている事実を見つけ出します。更に、調停人は当事者の本音を聞き出し、その話の中から以下のような分析を行います
ⅰ)この問題に対する「課題」は何か?
ⅱ)一方が他方に対して要求していることは何か?
ⅲ)当事者の利害は何か?
つまり、当事者の話の中から、争点・主張を見つけ出し、その背後にある当事者の利益・価値を分析し、当事者が本当に望んでいることは何か?を探って検討していく流れをたどります。そして、最終的には当事者双方が納得する解決を当事者自身から出してもらおうとするものです。
③妥協要請型
当事者の言い分の中間的解決を図ろうとするものです。
評価型ほど調停人は、当事者の話し合いに介入しませんが、調停人の個人的な威信や当事者が調停人に対して持っている信頼感などを背景に、アドバイスをしたり、説得を試みたりします。一見丸く収まったように見えますが、実はその紛争の本質には踏み込まないような形で決着してしまうことがあります。
一般的に「調停」といえば、①や③のようなことを想像されると思いますが、私や私の仲間が目指しているADRの形は②の自主交渉援助型になります。
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